みなさん、こんばんわ。
藤ととちゃんです。
藤ととちゃんは主にココロの具合をみるナースです。
専門的な事をいうとココロというよりも、脳の働きをみるナースです。
ココロの変化は実は脳の変化なのです。
ココロの変化が偏ったり、急に不調をきたすと命に係わる状態になります。
脳が不具合を起こしている状態が命にかかわります。
今日はちょっとテーマが重いかもしれません。
重くて当然。
けっして、逃避などの行動ではない「自殺」について考えてみたいと思います。
なぜ、今日この話をするのかといいますと・・・
これから、どんどん春に向けて気候が急速に変化します。
この生活環境の変化が、無意識のうちに体に大きな負荷(ストレス)となるとなります。
しかし、気候・季節の変化は止まってくれません。
毎年、これらの時期に自ら命を絶ってしまう事例が多くなる現実があるのです。
その「自殺」について視覚化されたデータをもとに考えたいと思います。
もくじ
究極の社会的逸脱行為
殺人と自殺。いずれも「殺」という文字のついた究極の社会的な逸脱行動です。
そして、その国際ランキングはニュースなどで話題になります。
殺人率は中南米、自殺率は旧共産圏の社会で高いことはよく言われる話題ですね。
しかし、命を閉じるこの逆の方向を向いた2つの逸脱行動を同時に観察することで、当該社会の国民性のようなものが見えてくるのです。
このような試みは、理論的に確立されないせいもあり、これまであまりないような話です。
下の<表1>は、2010年の殺人発生率と自殺率の国際統計を集計したものです。
前者は人口10万人あたりの殺人発生件数であり、出所は国連薬物犯罪事務所(UNODC)ホームページの「Crime and criminal justice statistics」という機関。後者は人口10万人あたりの自殺者数で、世界保健機関(WHO)ホームページの「Mortality Database」が出典元です。
まず主要国の統計を見てみる。殺人率はブラジルが23.3と飛びぬけて高く、日本は0.4と最も低くあらわされます。
この殺人というのはその国の治安の良し悪しが分かる部分でもあります。
殺人率と比較し自殺率は反対にブラジルが最も低いという結果になっています。
トップは韓国で、日本はそれに次ぐ高順位。
韓国で自殺率が高いのは、高齢者の自殺が非常に多いのが影響しています。
南米は殺人型、日韓は自殺型で、他の欧米諸国はその中間ということですね。
ここで国民の「内向性」を加味して分析
表の右端には、「内向率」という数値があります。
これは、各国の国民がどれほど内向的かを推測する尺度と言えます。
内容としては、殺人と自殺の総和に占める自殺の割合(%)で表わしている。
殺人・自殺とも人口10万人あたりの数になっています。
これをみると日本が98.3%で最高値、その次が韓国で97.2%、アメリカは72.4%で、ブラジルになると17.8%まで急激に少なくなります。
さて、ここで殺人と自殺の総和をいわば極限の危機状況の合計とみなすとします。
日本ではそのほぼ全てが自殺ということになります。
病死、老衰などの自然死を除くと、日本はダントツ自殺が多いということです。
なにか大きなピンチが訪れると自殺を選択しやすい国が日本だと言えます。
一方ブラジルでは、危機打開のための攻撃性の8割以上が「外」に向けられています。
ブラジルではピンチを打開するために他人を攻撃する選択が多いということです。
日本人の内向性は、国際意識調査でしばしば明らかにされるが、こうした客観的な逸脱統計にもそれははっきりと数値化されて表れています。
今回は7カ国の比較だが、世界にはもっとたくさんの国家があります。
他の国のデータも分析することで、より内向性の傾向が明確となるとおもいますが、あまりに膨大なデータとなります。
今回の分析だけでも、日本の内向性が世界的にみても群を抜いていることには変わりありません。
日本の現状を好転させることのできる変化は?
日本は治安が良くて、安全な社会だと言われる事も多く、住んでいる立場でもそう思うことが多いと思います。
しかし、近年。
国民の生活不安をもたらす要素は数多くみられます(格差、貧困、老後の厳しい生活……)。それにもかかわらず社会の秩序が揺るがないのは、これらに由来する苦悩や葛藤の多くが「自己責任」として切り捨てられているといえるでしょう。
自分がどうにかしなくてはいけない・・・
育児や介護などと同じく、生存危機の処理も「私」依存型の社会と言えるでしょう。
このような社会が健全であるとは到底思えません。
良い事は皆の取り分、喪失・失敗はその人の責任。
「他人に助けを求めるのは恥ずべきこと」、「何でもかんでも自己責任」という第三者が都合よく処理できる機械的な思考を克服するということが、より一層求められるでしょう。
いかがでしたか?
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
また読みにきてくださいね。