みなさん、こんにちわ。
藤ととちゃんです。
今日は珍しく外出先から書き込みしています。
早速ですが、機能からのテーマ。
「鑑定入院」について小話風に記載したいと思います。
もくじ
入院中に行われる「鑑定」ってどんなこと?
入院中に行われる「鑑定」にはさまざまな要素があります。
一番時間が多いのは精神保健指定医による面談でしょう。
対象の患者によって違いはありますが、おおむね本人がどのように生きてきたかを面談形式で聴取します。
たとえば、両親から虐待を受けなかったか?
学校には行っていたか?
いじめはなかったか?
就職はしたか?
いままで大きな病気や、入院歴がなかったか?
異常体験(幻覚や妄想など)がないか?
対人トラブル、近隣トラブルがなかったか?
いままで、自分の感情をコントロールできず、対人事件をトラブルを起こすことがあったか?
などなど・・・
そして一番肝心なのが、事件を起こした時の心理状況です。
事件を起こしたときの記憶はあるか?
事件を起こしたときにイライラした感じがあったか?
事件は誰かに命令されて行ったのか?
などなど・・・
さらに心理検査なども実施し、心理の動向を診察します。
このような面談を何回も行います。
面談での聴取は内容を段階的な時期に分けて行うことが多いです。
時に事件発生時のことを面談するときには慎重になるそうです。
この面談時に患者が不調をきたすことがあります。
事件当初の状況を聞くことによって、そのときの心理がフラッシュバックすることもあります。
医療行為は行わないと前に記載しましたが、このときにパニック発作などを越したりした場合は、適当な薬物を使用し症状を改善します。
しかし、これはその場だけの対処療法というもので、それ以降患者がどうなるかという部分までは治療メニューに組み込みません。
そうして、事件を起こしたときに責任能力があったのかを判断します。
鑑定の結果で何がきまるの?今と昔の違い
幾たびの面談を繰り返し、結論を導き出します。
事件を起こしたそのとき、患者は心身衰弱状態にあったか?もう弱じょうたいであったか?責任能力はあるか?などを判断します。
さて、ここでこの精神疾患をもった人が起こした事件での犯人(患者でもある)の処遇が今と昔では大きく変わります。
ご存知の方も多いと思いますが、精神疾患を患った人の犯罪は、無罪放免で治療を優先し、ほぼ一生病院からでれないという時代がありました。
ようは、病院に閉じ込めて、薬で鎮静させておとなしくさせておく。
そうしたらその患者の事件は二度とおきないという考えです。
これが当たり前に行われてきた時代があります。
なので、この風潮を悪用?して、取調べや鑑定時の面談で実際には体験していない異常体験を話し、罪から逃れようとする人もいました。
しかし、今は心理検査の精度も非常に向上しています。
ちょっとやそっとのウソ(虚言といいます)はすぐに見抜けます。
なので偽りの病気体験はバレます。
そうなると、何でこの人はウソをつくんだって話になります。これは簡単、罪から逃れようとする意思以外なにもないです。
ってことで、事件発生当時、責任能力は十分にあり悪意をもった犯行ということになります。心身衰弱状態でもないってことですね。
なので、鑑定入院終了後は裁判を受けて、判決を待ち、刑に服すという流れになります。
仮に事件を起こした当時、心身衰弱状態ではあったが、現実検討識は十分にあり、心身衰弱状態を治療することで、実刑に服すことは十分可能という判断のときもあります。
そうなると、一時入院し治療を受け、状態が落ちついたら、刑務所で実刑をうけながら治療を継続します。
この際の入院が「措置入院」ともいえます。
措置入院もさまざまなシチュエーションがありますので、これだけではなんともいえないですがが、簡単にざっくりと書くとこうなります。
ちなみに・・・・
この要治療の判断を受けたけど、実刑をうける期間に治療期間は含まれるのかってことになりますが・・・
大体の場合、ふくまれません。
あくまで刑に服すための治療期間なので、治療効果が確認でき刑務所で過ごすことが可能になった時点から実刑のカウントが始まることが今は多いです。
なので、精神疾患をもっていたら無罪放免ですって時代は、はるか昔におわりました。
これには、医療費の膨張を削減しようとする国の方向転換も要素としてあるんですがねー
まぁ、それも別の話ということで。
今日の小話はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。