みなさん、こんにちわ。
藤ととちゃんです。
今日は藤ととちゃんが仕事中に気になっていたことに、いよいよ指導が入るというニュースがあったので小話にしたいと思います。
もくじ
何か所の病院からもらってきたの?
藤ととちゃんは、病院の病棟勤務です。
病棟なので、入院してくる患者さんがいます。
まぁ、これは一般的な病院のイメージってことにもなっていると思います。
入院してくる患者さんも、時代の流れなのか高齢者が増えています。
これは確実に体感できるくらい増えています。地域や季節などで変化はあると思いますが、統計的にも高齢者が増加しているので、入院対象の高齢者は必然的に多くなっている現実があります。
そんな、入院してきたとある高齢の患者さんの話。
入院してくる患者さんは、普段飲んでいたり貼っていたりする薬を持って入院してきます。もってくる薬の種類は多種多様。様々な診療科目の薬を持ってきます。
しかし、なかには同じ種類や同じような効能の薬をこれもかと持ってくる方がいます。
藤ととちゃんと同業者や同職種の人なら絶対に見た事あると思いますよ(汗)
特に多いのは消炎鎮痛剤系の湿布や塗り薬、ドライアイ等に使用する目薬、下剤などを受診している病院やクリニック全部から処方してもらっていたりします。
「お薬手帳」などのツールで重複処方を確認できたりしますが、そのお薬手帳も大量にでてきたり・・・ほんとよくある話なんです。
特に湿布などは貼る部分で「背中はこれ、ひざはこれ、肩はこれ」ってなどなど・・・
これじゃ、公的医療費負担ががいくらあっても足りないですよって思っていました。
いよいよ厚労省が指針を発表
今回、発表された指針は主に医師や薬剤師向けのものです。
要は薬をもらう側の高齢者向けに発表されているものではなく、薬を出す側に指針が発表になったということです。
数値のデータは厚労省のHPで確認して頂くとわかりやすいと思いますが、「減薬しましょう」の理由は高齢者は身体の代謝機能が低下しているため、減薬できるものは減らし、できれば不要な薬はやめていきましょうということです。
わかりますよ。
確かにわかります。
代謝機能が云々とかはほんと理に適っている指針だと思います。
しかし、現状それだけの多種多剤を貰っている高齢者に「不要なもの」とか「減らせるもの」という説明は受け入れられるのでしょうか?
たぶん、「必要だからもらうんだ」って意識がかなり強いと思います。
減薬を提案する医療者はダメな医療者になる?
今回の指針は4月以降に話がまとまり、ひとつのガイドラインになって実施されていくようです。
すぐにどうこうという話ではありません。
しかし、いずれ実施されるものという事実もあります。
医療現場では減薬の提案が始まると思います。
今までもらえたものが減らされるわけです。先に書いたように「必要だから今も貰っている」という意識の患者さんにどのように説明して、理解を得ていくのか・・・これは非常に困難かと思います。
「いまさら減らさなくていいよ」「もう年なんだから薬のんで楽に暮らさせてよ」「先生には患者の体のことがわかっていなんだよ」など言われるのが目に見えています。
それでも減薬対応をすすめると「ケチなやぶ医者」「ダメな病院」などの意見がでます。俗にいう門前薬局などの対応も難しくなると思います。
薬をもらいに行く理由って?
今回の厚労省の指針。
高齢者が本当に心身の不調ではしご受診をし、薬をもらっているという理由だけで判断されているのでしょうか?
日頃、人との接触が少なくなった高齢者が、病院やクリニックなどの医療機関に行くと「どうしました?」「調子はどうですか?」と必ず話掛けられます。
院外薬局でも同様のことがあると思います。また、待合室での交流もあるでしょう。
ヒトとの交流場所が医療機関にあったり、会話の場がそこにあり、それを求めるヒトがいるのだと思います。そこでの話は健康問題であり、自分の不健康さを用いて交流を図る対人コミュニケーションが展開されていると思います。
「高齢者の独居生活」という悲しい社会の構図の一部が表在している場面ではないかと藤ととちゃんは思います。
これからは薬の量でコミュニケーションが成立する医療現場ではなく、人の温か味のある医療現場が求められるのかもしれないですね。
今日の小話はここまで
最後まで読んでいただきありがとうございます。